はぁ……

あんまり聖花ちゃんに知られたくなかったのになぁ、と落ち込む柚。

すると、


『散々だったね、柚ちゃん。』

「ぁ…佳菜子ちゃん、」


読書をしていた佳菜子が、くるっと柚の方を向いた。


「もう最悪だよー…。」

『ねー。山中先生って、変なところで思いこみ激しいし…。』


柚は聖花に伊津との関係を勘繰られたことが最悪だったのだが、佳菜子はそれを山中先生のことだと勘違いをしていた。


「まぁ、そうだね…」

『放課後の掃除なんてダルいよねー。あの山中先生のことだから、絶対いっぱい嫌味言われるよ。頑張ってね、柚ちゃん。』

「ぁ、ぁはは…。」


そんなことを聞いて、頑張れるはずがない、と柚は思ったが何も言わなかった。

苦笑いだけを零す柚。

内心は、佳菜子にも伊津との関係を勘繰られてしまうのではないかとビクビクしていた。


『あ、次、英語の単語テストだよ、覚えた?』

「…ん?まぁ、ボチボチってとこかな。」

『そっかぁー。私も頑張ろっ!』


だが、佳菜子は気付く様子もなく前を向いたのを見て、柚は安堵の表情を浮かべたのだった。