「……ぁ。」


学校案内、誘うの忘れた。

あちゃー…


佳菜子に学校案内を一緒にしようと言うのをすっかり忘れていた柚は、佳菜子に話しかけようとするも、


カリカリカリッ


佳菜子は小テストの勉強に集中していて、話しかけるのをやめた。


……どうしよう。

このままでは伊津と一対一で学校案内することになってしまう柚。

ぁあ、考えただけで目眩が……


眉間を押さえながら、柚はまたチラリと伊津の方を見る。


「!」


その瞬間、バッチリ伊津と目が合ってしまい、柚は一瞬で目を逸らした。

最悪……

目、合っちゃったよ…

柚が苦い顔をしていると、


『ゆーずー。』


運が良いのか悪いのか、聖花が柚の元へやってきた。