恋・光る

 聖夜に手を引っ張られ、私は長い間歩き続けた。

 歩きながら、さまざまな思いが、頭の中に、浮かんでは消え、浮かんでは消え…

 だんだんとうつむいていく私。

 
 と、不意に、聖夜が立ち止まった。

「どうしたんだ?」

「何でもないよ」
 慌てて答える。

「何でもなくないだろ」

「何でもなくなくない」

「いや、お前、絶対何か隠してる」



 聖夜に強く言われ、隠すことができなくなった私。

 とうとう、言わずまいとしていた一言が、私の口からこぼれ落ちた。
 



「何でだろうって、思ったの…」

「?」

「私、昔から、自分の気持ちを表現するのがニガテで…それで、いじめられていて……でも、聖夜はあんなにモテモテで…カッコよくて…それで…」

 自分の頬を、涙が伝っていくのを感じた。

「私なんかが聖夜と一緒にいていいのかなって、思ったの」

 悲しみの雫が、後から後からあふれ出す。

「やめるなら今のうちだよ、聖夜。私と付き合うなんて……早くしないと私、聖夜のことがホントにホントに好きになるよ……諦められなくなるよ…」