「うん、聾唖学校。今は聾学校って呼ばれてる」

私の口から発せられる言葉の一つ一つを

聞き漏らすまいとするかの様に

私に向かって耳を傾ける。

小池君に少し近くに寄ってもらいたくて

私はわざと小さな声で話した。

なぜだか解らないけど

・・・・私

・・・・小池君に
  

・・・・興味・・・・


・・・・ある・・・・・

「耳に障害がある児童が行って・・・」

私が言い終わらないうちに彼は下をむきながら

「俺いいよ・・・。何処でも。

年上の人についていくたちだから」

小池君はそんな言葉をなげつける。

ちょっといじわる。だから私も

「小池君も私も友達がいないもの同士

仲良くやりましょう」

満面の笑顔を小池君に向かってなげつける。

彼の顔が赤くなった。

私はそれを想定していた。

私に意地悪をしたお返し。