高校3年になるとうちの学校には

ボランティアの必修科目がある。

それぞれグループを作って

養護施設や、老人ホーム、図書館の本を

かたずけるボランティアに出かける。

もちろん、俺は誰も友達がいないから

必然的に余っている中野と一緒になった。

何処に行くか決めなければいけないこの時間。

俺たちはずっと黙っていた。

中野は机についている傷でも数えているのか

ずっと机を見つめ、俺は雲の流れをずっと見ていた。

ガラス窓に写った中野をみる。

黒髪がカーテンになって中野の顔を隠す。

授業が終わる10分前に中野が顔を上げた。

ガラス窓に写った中野と俺。

バッチリ目が合った。その瞬間・・・。

「小池君、聾唖学校にいかない?」

????ろうあ学校????