曲が終わると、会場はさっきまでとは打って代わり、静寂に包まれていた。


「この曲は……ある人に出会えたから作れた曲です。」


マイク越しに僕は話し始めた。


2年半。

その全ての想いを噛み締めながら。



「僕は……」


叶わぬと知っていた。


届かないなんてわかっていた。


……敵わないなんて、わかっていた。


それでも……


僕は……


「あなたが……」