憲吾は、夫祐樹に乱暴に扱われたとショックを受けている晴香を、その倍愛してあげることで癒してあげたいと思っていた。


もどかしくなるくらいに、ただ髪をなでながら、何度もキスをして、晴香の涙に指で触れながら


「泣かないで…俺がいるから」


そう耳元で囁き、少しずつ晴香の傷付いた心を忘れさせる…


晴香は安心したように目を閉じ、憲吾の優しさに癒されながら憲吾を受け入れる…


ただ静かに長い時間触れ合いながら、愛されるという優しさに包まれて、フタリの時は流れていく…


「朝まで一緒にいて…」


晴香の言葉に憲吾はただうなづきながら、自分の胸の中に晴香を包みこむ。


今だけは何も考えずにと…目を閉じた。