「晴香、少し休みなさい。もし、晴香ママに何か言われたら、俺きちんと話してあげるから…こっちにおいで」


憲吾は晴香を抱き寄せていた手を腰にまわすと、晴香を立たせてベッドに連れて行く。


晴香を座らせると


「今は何も考えないで…少し寝ること。疲れて感情が高ぶってるのもあるから。俺隣にいるから、何も心配しないで…」


晴香は言われるまま、ベッドに横になった。


憲吾は、自分の左腕をのばして、包み込むように晴香を引き寄せる。


少しでも晴香を安心させて、癒せるように、憲吾も隣で目をつぶった。


晴香の左手が、そっと憲吾の右手を握りしめたのを確認しながら、フタリは静かに流れている時間の中で、ゆっくりと夢の中に落ちていく…