憲吾が車に戻ると、晴香はどこに向かうのか予想はついていた。


コンビニで、弁当と飲み物を買って…


フタリで話せる場所…


先日は楽しい気分だったけど、今日はそんな気持ちにもなれず…


ホテルの駐車場に着くと、憲吾はため息を一つついた。


「どうする?ここでいいかい?」


「うん…」


前の部屋とは違う


落ち着いた雰囲気の、広い部屋。


憲吾に背中を支えられるように、ソファーに腰をおろす。


「まずは、晴香食べなよ…少し気持ち落ち着かせて話したらいい…」


憲吾が飲み物のふたを取って手渡してくれたときに、携帯が鳴った。


母親かと思ってみてみると、夫祐輝からだった。


憲吾がいるのでためらっていると


「ご主人?気にしなくていいからでなよ…」


……。


「もしもし…」


「晴香?今どこにいる…?」


「どこって…」


言えるわけなかった。