「えっ!ごめん晴香、俺なんか悪いこと言っちゃった?ごめん泣かないで」


憲吾は車を止めると、あわてて晴香の手を握り締めた。


「憲吾、あたしの正直な気持ち話してもいい?」


「いいよ。聞くよ…」


「あたし…昨日夫に犯された…」


「犯された…って夫婦だから…」


憲吾は胸が痛んだ。


晴香が結婚してるのを承知で抱いた。


晴香にも、夫に気がつかれないようにと、配慮して拒んではいけないとも言って聞かせた。


でも、晴香から直接夫との関係は聞かされたくなかった。


想像したくなくても、夫婦という関係で暮らしている以上、必ずあってしょうがないことと言い聞かせていたが…