先日の待ち合わせ場所に晴香が立っていた。


「ごめん、遅くなっちゃって」


「今来たところだよ~」


「会いたかったよ…晴香」


引き寄せられて、頬にキスしてくれる憲吾が好きなあたし…


「飯でも食うか~」


心のどこかで、フタリきりになれる密室を想像していた自分に恥かしくなった。


でも、これって本当の素直な気持ち…


好きな人に触れられたいって思うのは、男も女も同じ。


憲吾は車を走らせた。


「晴香~晴香ってもしかして俺のわがままに付き合ってるわけじゃないよな…」


「わがままって?」


「俺は独身だから自由だし、誰と付き合おうと言われることはない。だけど、晴香には家庭があって…そのことで晴香苦しめてるんじゃないかと…」


晴香の瞳から涙がこぼれた…