母親という生き物は、鋭い感覚で子供の心を読み取ることがある。


今晴香の母親は、娘の変化に気がついていた。


「世利良く来たね～ばあちんと今日も遊ぼうね」


「ごめんねママ。どうしても里美が話しがあるって言うから…」


嘘をついてることに少し心が痛む


「ねえ晴香、ママに嘘言ってないよね。晴香…祐輝さんと上手くいってるんだよね？」


「えっ？どうしてそんなこと聞くの？大丈夫よ」


「それならいいんだけど…あんたは結婚してるんだからね。それだけは忘れないでよ」


なんとなく見透かされてる感じがする。


だけど、夫婦の問題なんて親には言えないし～


心配かけるのも嫌だった。


まして、夫を愛してないなんて、絶対に言えるわけはなかった。