世利との時間には、憲吾のことを少しだけ忘れていられる。


自分にとって、世利は何にも変えられない大切なものであって…


それは憲吾よりも自分の心を占めているのは、母親として当たり前の感情。


でも、世利が昼寝をしてしまうと、憲吾への愛情が強くなっている。


携帯から憲吾へ電話をしてみる。


コールが何度かなって…


愛しい憲吾の優しい声が聞こえる。


突然涙がこぼれた…


「晴香…どうした?泣いているの?」


「大丈夫…憲吾に会いたい~ただそれだけ」


「俺もだよ。晴香に会いたい…」


「これから実家に世利お願いに行くから…夜会える?」


「夜…御主人大丈夫なの?」


「多分…大丈夫…」