「それならいいんだけど。お互い大人だから、他人の俺がどうこう言う問題じゃないけど、もしそうなってものめり込むなよ。のめり込んだら、行き着くところは泥沼…なんて、ドラマの見すぎ?かぁ俺。ははははっ」


「わかってるよ。泥沼か…」


春樹はわかっていた。


憲吾は今までこういう話題を自分にふってきたことがない。


それだけに、憲吾が晴香と関係をもってしまったことに、なんらかの気持ちを話したくて、自分を呼んだこと。


でも、いいんじゃない?


とは簡単にはいえない。


今まで長年憲吾と付き合ってきて、どれだけこの男が真面目で傷付きやすいか知っているから。


真剣になればなるほど、悩むことをしっているから…