憲吾は、祐輝からの連絡が来るまで、晴香と会えずにいた。


晴香の顔を見てしまうと、祐輝のことを言ってしまいそうな気がしたから…


男として、男の気持ちはわかる…行くまでの間、多分祐輝は毎日、二人のことを思い、涙したに違いない。


1週間ほどして、見慣れない携帯番号から電話が入った。


「憲吾君、祐輝だ…元気か?晴香には会ってるか~」


「あれから、電話だけで…会ってません」


「そんなことだろうと思っていたよ~もう、本社のほうに来ている。しばらくはホテル住まいだが、住所決まったら連絡するし、これが新しい番号だ。くれぐれも、晴香にわからないように頼むよ…もう俺はいない。今日は、晴香と世利に会いに行ってやってくれ…お互い仕事頑張ろうな~」


「わかりました…祐輝さんも、お元気で…」