しばらくの時が流れていた。


祐輝は憲吾の仕事について話しをしたり、今の自宅をどうしようかなど、はたから見れば、友人どうしの会話に見えるだろう…でも二人にとっては、父親を入れ替わるための準備であり、妙な光景だった。


「じゃあ、晴香…世利のこと頼むよ…自宅のことは、今憲吾君に話ししたから、俺の荷物は荷造りして送るから、その後で、憲吾君と考えて…」


「行く前に、また会えるんだよね…」


「いや!これで最後にしよう…俺の決心がにぶっても困るからね~憲吾君に代理で会ってもらうから、心配するなよ~晴香…胸のネックレス…似合ってるよ…世利、元気でな……パパ世利の成長想像しながら…仕事頑張るからな…晴香…ありがとう」


そう言って、涙を隠すように祐輝は玄関におりた。


「お父さん、お母さん…ありがとうございました。お元気で…それでは…見送らないで下さい。寂しくなるので。じゃあな…晴香、世利、幸せにな」


そう言うと、祐輝は玄関を出て行った。