「憲吾…パパ、ママが、憲吾色々やってくれたからって、おこずかいくれたよ~美味しい物食べさせてね」


元気になっている晴香を見て、憲吾も喜んでいた。


憲吾の足元に抱いてとせがむ世利を、優しく抱きしめると、世利のほっぺに、チュッとキスをする…


世利は、嬉しいのか、キャッキャと笑っていた。


晴香の用意が整うと、憲吾は、世利に


「ママ借りてごめんね…休みには遊んであげるね」


そう言って、晴香の父に、世利を渡した。


後追いしている世利の姿を可哀想に思いながらも、晴香の父と母の笑顔に送られて、フタリは家を出た。


「晴香、本当に体調大丈夫かい?」


「うん…右手も少し自由になったし、祐輝とのことも…あたしはっきり決めたの…」


「はっきりって?」