それは、晴香自身が一番考えて悩んでいること…


今日、憲吾とも会ったら話すつもりでいる。


世利にとっては、誰がどんなふうに言っても、父親という血のつながりを消すことはできない。


世利がこの先望むのなら、父親と会うための何らかの話し合いはしなくては…と思っている。


ただ自分の手で世利は育てたい…


憲吾が反対したなら、晴香は世利と暮らす2人の生活を選ぶだろう…


それは、自分の分身、自分の命をかけて生んだ我が子への、男にはわからい気持ちだったから…


憲吾が帰ってくる時間より少し前に、晴香の父が帰宅した。


「パパ~おかえりなさい~」


「ただいま…晴香包帯取ってて大丈夫なのかい?」


晴香は今日病院で診察を受けて、先生から言われた報告を父にしている。


父は喜んで、晴香が元気を取り戻してくれていることに感激していた。