その中に、ファミレスが1件あり、広々とした店内の方が周りに気をつかわなくていいだろうと、父親がそこに決めた。


一番奥の席に二人で座る…


あまり食欲のない祐輝に、父親は気がついていたが、軽めの定食と、コーヒーを注文してくれた。


コーヒーがすぐに来ると、父親は一口飲んで話し出す…


「祐輝…気持ち話してごらん」


「うん…」


祐輝の父親は、世間一般でいう亭主関白で、仕事一筋…


子供のことは、母親に任せきりだったが、どうしても解決しにくい問題にぶち当たった時には、優しく聞いて、意見を言ってくれた。


今も、母親から内容を聞いて、だいたいはわかっているだろうが、優しく祐輝に尋ねるように聞いてくれる…


気性の荒い母親と一緒に生活してこられたのも、こんな父親の優しい一面があったからなんだ…と祐輝は感じていた」