スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間

受付で晴香の名前が呼ばれる…


「柴崎さん~」


救急で入ったあの日の痛みがよみがえる…


看護師さんに、包帯と、取り外しのできるギブスを取ってもらう。


レントゲンを取るためだった。


紫色に変色した手首と指が、痛々しい感じだが、ギブスを外しても、思ったほど痛みはなかった。


レントゲンを撮り終わると、左手で右手を支えながら、先生の前に座る…


レントゲン写真を見ると、少し指が曲がっているようにみえる。


「折れ方ひどかったからね~ほんの少し小指側に曲がっちゃってるね~少し今日ギブスで寄せてあげるけど、完全に真っ直ぐにならないのと、折れた部分は少し太くなるからね」

「はい…」


早口の先生の言葉が何となく理解できたが、折れた指が、元通りにならないと聞かされたことで、祐輝への憎しみはまた沸々とよみがえる。