スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間

「祐輝さん…本当は晴香のこと嫌いだったんじゃないね…あの人、不器用なんだよ。お母さんの育て方もあるのかな~」


「育て方?」


「きっとね、祐輝さんのお母さんて、子供が自分の支配下で生きていて、何でも守もって、偏った愛情っていうのかな~かけてきたのかもしれないね…だから、祐輝さんも、いっぺんに二人に愛情かけることができないんだよきっと…」


晴香は黙って聞いていた。


「だからね、今になって、世利を通して晴香への愛情の確認をしていたんだと思うよ…」


あの寂しげに見えた祐輝の瞳は、そんな気持ちだったのだろうか…


じゃあ、どうして言葉で言ってくれないの?どうして態度で示してくれなかったの…


あたしの心がこんなふうになる前に、どうして?


今になって言われても、変わっても…もう、あなたへの愛情は、あたしの心にはないの…ごめんね…あたしは憲吾と、祐輝を裏切った…小悪魔な女…