スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間

晴香は戸惑っていたが、母も一緒だったら…と少し気持ちをおさえることができていた。


「世利~ごめんな…ずっとパパほったらかしだったもんな~少しだけ遊ぶか~」


「タタ~ハイ~」


「世利、歩くの上手になったな~子供の成長って早いな…」


世利が持ってきた玩具を、祐輝は今まで見せたことのないような笑顔で受け取りながら遊んでいる…


今まで、描きたかったけど、想像もできなくて…下書きすらできなかった真っ白なキャンパスに、薄くて細い線を描いている晴香だった。


結婚する前に、夢見てていた、幸せな家族の生活…


愛という、色のついていない筆に、夢色を少しずつつけて本当は描きたかったキャンパス…

もう少し早く、祐輝がこの下書きを手伝っていてくれたなら、夢色が水に薄まることはなかったのに…