憲吾は、晴香の髪に触れ…指を絡ませ、晴香を感じていられる今に幸せはあった。


でも、晴香と同じに、祐輝に対しての、不安な気持ちはあった。


これから、どんなふうに言ってくるだろう…世利ちゃんを晴香が引き取ることはできるだろうか?


まず、なによりも、晴香のボロボロになっている心のケアーが必要で、指が治るまで、できないことも多く、それにまた悩むのではないかと、心配している。


これから憲吾にできることはなんだろう…


毎日、寝泊まりくらいはできる。


でも…


一番は、晴香が話せない分、祐輝と話すことも必要なのではないだろうか?


話すと言っても、まず何から話すべきだろう…晴香とのフタリの関係?


それともこれから先、どう考えて行くか話し合う?


祐輝、憲吾、晴香は、それぞれの思いの中で、この夜を過ごしていた…