「明日送るから…俺も疲れてるから、休むよ。母さんは風呂入って休んで…俺は朝シャワーするからいいから」


「祐輝、私はね…」


母親が話しかけたが、祐輝は無視して、寝室に入った。


やりかけだった晴香の着替えを鞄につめていると、何故だか涙が溢れてきた…


何だか情けなくて…胸が痛くて…どうしてこんなふうになる前に、晴香を大切にしてあげられなかったのだろう…


晴香を嫌いではない。


むしろ…好き…いや、愛している。


でも、その感情を、憲吾という男よりも、表現するのが下手で、言葉に出すことなんて、自分のプライドが許さなかった。


晴香と夫婦生活も、世利がいると気になって、目覚めてしまうと思うと、ゆっくり愛し合うこともしなかった…


神経質な自分の性格に、今は、後悔と嫌気までさしていた。