晴香の母は、針積めていた気持ちを、憲吾夫婦に話した途端、泣いていた。


「さぁ…これからも大変だと思うけど、一息ついて、ビールでも飲もう…憲吾も、今日も晴香ちゃんの傍にいてあげたいんだろう…」


「いいかい、父さん、母さん…」


「そうだと思って、着替え持ってきたから~晴香のパパ、ママいるんだから、晴香ちゃんに変なことしないでよ~」


「もう!母さんそればっかりだな~しないよ~」


赤くなって照れてる憲吾を見て、皆が微笑んでいた。


晴香は、涙を瞳いっぱいにためて


「皆…ありがとう…あたし、本当に幸せ…」


そうつぶやいた…


憲吾の母、お手製の惣菜と、ビールで、笑い声も聞こえる晴香の実家…


世利も、毎日疲れていたのか、ぐっすり母達の部屋で休んでいる。

しばらくぶりに、静かに優しい時間が流れていた。