スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間

「両親揃って、娘の不倫に力貸して~俺一人がバカ見た~ハハハハッいい笑い者ですよ俺は…」


「いい加減にしろ!ここまで俺が我慢してきたのに、もう我慢できない。うちの可愛い晴香をこんなふうにしたのは、きさまじゃないのか!晴香の気持ちわかってて、きさま物言ってるのか!」


普段、物静かで穏和な父が、怒ったのを晴香も見たことがなかった。


さすがの祐輝も、ひるんで、腰を下ろした。


「里美ちゃん、晴香をキッチンの方に連れて行ってくれないかい。晴香大丈夫だ。パパに任せなさい…」


里美は言われた通りに、晴香をキッチンの椅子に座らせる。


晴香の母は、世利が驚かないように、キッチンから出た玄関前の廊下であやしている。


「いいかい。うちの晴香は、君と結婚する前に、憲吾とは関係はない。赤ちゃんの頃から親同士が同級生で仲良くしていたから、兄妹のように育ってきた。小学校までは、一緒に風呂に入ったり、泊まったり、本当の兄妹のように育ったんだ」