ピンポン…


呼び鈴に、晴香の父が出て行くと、祐輝の母親が、見舞いの品だと菓子包みと、世利へのお菓子を持って入ってきた。


後に続いて祐輝も入ってくる。


「晴香は?」


祐輝の言葉に父は驚いた…あれだけ強気でいた祐輝を感じさせないくらいに、祐輝は疲れた様子を見せていた。


「奥の部屋に寝ているよ…」


キッチンにいた憲吾と里美、晴香の母に気がつくと、軽く一礼をして、祐輝は晴香のいる部屋に入っていく…


憲吾はその様子を、胸が痛くなる思いで見ていた。


祐輝の母親も、とりあえず何も言わずに、居間に座って、世利に愛想笑いをしている。


晴香は、落ち着いた様子で、起き上がって、布団に座っていた。


「晴香…調子はどう?この間はごめんな。手…捻挫だったって…本当にごめんな…」