午後からの仕事は苦痛だった。


クレーム処理に、客への電話対応…


祐輝の苦痛な気分をさらにイライラさせていた。


携帯のバイブが鳴った。


まさか…晴香!


携帯を開いてみると、達也からの誘いのメールだった。


【柴崎さん、今日飲みに行けませんか?聞いてもらいたい話しあるし】


【今日はブライベートで用事があるから、またの機会に】


返信した直後、メールが入ってきたが、達也からだとわかっていたので、見る気もしなかった。


祐輝にとっては、晴香が帰ってくるために、どんな話しをするかが、今は一番の悩みであり、人の結婚生活に首を突っ込んでいる暇などない。


今まで、特別考えたこともない妻への気持ちと、娘世利が間違いなく自分の子供だという確信にふれたいだけで…他のことは、何も考えたくなかった。