憲吾も晴香も、兄妹じゃないことくらいは、親が違うんだから、物事ついた頃からわかっている。


でも、いつも傍にいるせいか、他の子供達が大抵幼稚園から小学校に入るくらいに、一度は感じる、異性を好きという感情が特になかった。


憲吾には晴香がいて…


晴香にも憲吾がいて…


当たり前のように


「大きくなったら結婚するんだもんね~」


なんて、結婚の意味も良くわからずに、二人は言っていたし、両親達も、本当にそうなったら、楽しいね~なんて夢をふくらませていくらいだ。


小学校に入ってからも、クラスが違っても、毎日どちらかの家にいて、風呂にも入り、寝泊まりしているのに、何の疑問も抱かなかった二人…


ただ…


憲吾だけは、少しずつ自分の心の成長を感じていた。