スパイシーな彼～あなたとの甘く優しい瞬間

「どうだ向こうの様子は？」


「祐輝君も落ち着いて話しは聞いてくれていたが…母親は、相変わらずって感じだったな。明日、電話して母親と会ってみるよ」


「そうだな…ここまできたら、本人同士というのは無理だろう…母親と話して、これからのことを考えるのが、いいのかもしれないな」


「ああ…」


晴香の寝ている部屋を覗きに行った晴香の母は、憲吾が電話が聞こえないように、優しくタオルで晴香の耳をおさえている憲吾の優しさに胸をうたれていた。


早く解決できる問題ならしてやって、二人を一緒にさせてあげたい。


母は迷いもなく、そう思っていた。


自分の娘が暴力をふるわれて、胸が痛まないわけはなかった…祐輝という人間といると、晴香の人生が辛いものになっていくのが見えていた。


それなら、これだけ愛してくれている憲吾と一緒になったほうが、間違いなく幸せになれる…母は娘の幸せを心から願っていた。