晴香の実家に着くと、憲吾の両親が来ていた。


高校、大学の友人という関係の両親達は、今も仲が良く、世利の相手をして帰りを待ってくれていた。


玄関のドアが開くと、最初に出てきたのは、憲吾の母祥子だった。


「美雪!晴香ちゃんの様子どうなの?憲吾…早く布団に寝かせてあげて、下の奥の部屋に布団ひいてあるから…目離せないんでしょう」


「ありがとう祥子…憲吾、頼んでいいかい」


「はい…」


憲吾に抱えられた晴香の姿を見て、祥子もショックを隠しきれなかった。


「憲吾、大丈夫か…」


父寛之が言った。


「俺は大丈夫だよ父さん。来てくれてありがとう…」


「本当にありがとうな憲吾…憲吾には、本当に世話になったんだよ寛之」


憲吾は晴香を寝かせると、居間が見える位置に腰を降ろした。