呼ばれても、晴香の反応はなかい…


憲吾が抱き抱えるように診察室に入ると


「柴崎さんて…先日指折った…明日日中診察でしたよね~どうしました?」


晴香の母が、ことのなりゆきを説明していた。


憲吾は、診察室のベッドに晴香を寝かせると心配そうに、グッタリしている晴香を見つめていた。


「ちょっと手首見るね…一応レントゲン撮るけど、多分捻挫ですね。それよりも、精神的なダメージが強すぎて、外科じゃ処置できないので、精神科にまわしますから、そちらで処方してもらえますか?」


レントゲンの結果は、やはり捻挫だった。


指のギブスを変えてもらい、手首にはシップが巻かれ、痛々しい包帯の量に憲吾も母も驚いていた。


精神科にまわされた晴香は、意識は薄く、憲吾が抱いたまま、診察を受けた。