スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間

晴香が眠ったので、憲吾は、少し下に降りて行った。


「あっ憲吾、様子はどう?」


「多分、先日のように痛がってないし、吐き気とかもないので、捻挫じゃないかな~と思うけど、夜連れて行きますよ」


「すまないな憲吾。晴香のこと頼むな」


「はい…」


父には、不安があった。


あの母親のことだ、絶対に黙って引き下がるわけはない。


世利の親権だのと、揉めさせるに決まってる。


もうこれ以上、晴香が傷つけられるのを、親として、黙って見ていることはできなかった。


「パパ、憲吾、お茶いれたから、ちょっと一息つきましょう」


「ああ…そうだね」


世利が憲吾の傍に来ると、憲吾は抱き上げて、窓から外を見せていた。


キャッキャッと喜んで憲吾の顔を触りながら、世利は外を眺めていた。