晴香の母は、里美と晴香の手当をしていた。


父は怒りを押さえながら言った。


「憲吾…手を離して。祐輝君、座りなさい…何があったのか、どちらか話してごらん」


ふてくされた表情の祐輝は、全く話す気もなく、憲吾に殴られた頬をおさえていた。


「どうしたの晴香…ママ達に言ってくれない?」


「二階に来て、祐輝は話しもしないで、いきなりつかみかかってきて、愛してほしいなら、愛してくれって言えばいいだろう…そう言って、無理矢理キスしようとしたの。だから、私は嫌だって逃げようとした…それでも無理矢理…だから、もう愛してないからできない。離婚してほしいって言ったら…」


「てめぇ~このやろう!」


憲吾がつかみかかろうとした時に


「憲吾!止めなさい!里美ちゃん、悪いんだけど、憲吾連れて下に行っててくれてるかな」


と強い口調で言った。