晴香は顔色が悪く、今にも倒れそうな感じで座っている…


「さぁ~晴香、祐輝君と少し話ししておいで。黙っててもわからないんだよ。きちんと気持ち伝えなさい」


祐輝が立ち上がり、晴香の左腕をつかむと、少々強引に立たせた。


憲吾は、握りしめていた手の色が変わるくらいに、力を入れてじっと耐えていた。


「ほら晴香、早く」


少し震えているようにも見える晴香が、可哀想で皆が見つめていた。


ドアが閉まると、階段を上がる音が聞こえ、二階のドアが閉まる音がした。


「全く無神経な母親なのね~ズカズカやってきて、なんで晴香が攻めらなきゃならないの?」


「ちょっと…憲吾大丈夫かい?固まってるよ~」


「俺、晴香が可哀想で、ぶん殴ってやろうかと思って…今だって、晴香何されてるかと思ったら、イライラしてきて」