スパイシーな彼～あなたとの甘く優しい瞬間

祐輝の母親の言葉に、里美はムカムカしていた。


小さくなって座っている晴香が可哀想で、一言言ってやりたい気分だった。


「ごめんね、皆ありがとう。今お茶入れるからね」


憲吾は、気づかれないように晴香をチラッと見ては心配していた。


晴香の母は、憲吾を突っつくと、見えない場所で、今黙って…と口に指を当てて見せた。


世利が、父に抱かれ眠ったので、奥の布団に寝かされた。


「晴香…ちょっと2人で話ししないか？車の中でもいいから…」


「2人は…嫌…」


泣き出した晴香に


「何なの晴香ちゃん、夫婦でしょ。嫌ってどういうことなの？」


我慢できなくなった里美が言い出した。


「晴香は、ケガのショックから、まだ立ち直れていないんですよ。祐輝さんにケガさせられた恐怖感が残ってて、夫婦だから大丈夫っていうのも、おかしくありませんか？」