「世利ちゃん、すぐ来るからね。オママゴトしようね」


世利を降ろして、頭をなでると、憲吾は玄関を出て行った。


「晴香…憲吾と話ししたのかい?どこ行ってたの~聞かないほうがいいのかな」


「憲吾に、パパママには嘘つきたくないって言われてるから、言うよ…」


「無理して言わなくても、何となくわかるよ。いつもと違うシャンプーの香り…するもん…」


何もかも母親には、お見通しだった。


「憲吾が小さい頃みたいに、お風呂に入れてくれたの…結婚してるのに、いけないことだってわかってる…でも、祐輝が怖いの…あたし祐輝ともう一緒にいることも嫌」


「晴香、落ち着きなさい。パパもママも、お前が良いことをしているとは思わない。他人から見たら不倫と言われる行動をしているんだからね。でも…祐輝君と結婚して、夫婦として上手くいってないから、憲吾とそうなったのかい?それとも、憲吾に会って気持ちが変わってしまったのか、教えてくれないかい?」