晴香の実家前に車を止めると、晴香を車から降ろして、憲吾が晴香の左手を握りしめて


「俺がいるから…」


そう言葉をかけた。


ドアを開けると、世利が歩いてきた。


「あれ!世利ちゃん歩いてる~」


憲吾の顔を見て、世利はキャーダーと声をあげて喜んでいた。


ママの顔を見ると、飛びついて抱っこをしてほしいと、手を出してくる。


「世利ちゃん、兄ちゃんが抱いてあげるから、ママ抱っこ我慢して…」


そういうと憲吾は中に入った。


「憲吾、晴香迷惑かけなかったかい~ありがとうね」


「憲吾、車置いてきて酒でも飲もう。今日は世利の誕生日だし、いいだろう…」


憲吾は、親子で話す時間も必要だと思い、車を自宅に置いてくることにした。


「憲吾、母さんと父さんに、うちに来てること言っておいでよ~」


「ふふふ、晴香ママ、子供じゃないから、大丈夫ですよ」


「あっ!そうかハハハハッ」