「晴香～また俺と約束しようか」


「約束？」


「今度は、俺の本当の気持ちを言うよ。前は夫婦だから、拒んではいけないよ…そう言ってたよね。でも、晴香が本当に今の生活から逃れたいって思うのなら、迷わず俺のところにおいで。もし、話し合いが上手くいかなかったら、俺は晴香を誘惑した悪者になってもいいよ…いつでも、ご主人と話しする覚悟はできてるから。だから、今度は、絶対に一人で悩まないこと…あと、晴香パパ、ママはもう気がついているはずだから、話しするつもりだけどいいかい？」


憲吾の瞳に嘘はなかった。


「まだ、離婚もしていない晴香に自分の気持ちを言ってしまうのは、逆に残酷かもしれない…でも、もう晴香が苦しんだり、傷ついたりするの、黙って見てるなんて俺にはできないんだ」


「憲吾…」