「憲吾に迷惑かけたりしないから心配しないでね。あたしは、こうやって短い時間でも、憲吾といられるのが嬉しくて…何も求めたりしないから」


「大丈夫…もし、晴香が本当に困ったら、全部正直に話していいよ。俺は、逃げも隠れもしないから…なっ」


「だって…憲吾仕事忙しいし…結婚とかは考えてないって言ってたから、あたしが憲吾を好きでいることさえ、迷惑だと思っていて…」


憲吾は、今まで晴香に隠してきた気持ちを、今なら言ってもいい…そう思った。


「晴香、よく聞いて。俺は、晴香と再会する前に、ある女性と婚約していて、でも金なくてね…そんな時に、彼女の前に現れた安定のある男に、すぐに乗り換えられて、俺は捨てられた…辛くて、悔しくて…その女性見返すために仕事も頑張った…でも、心にあいた穴は、ポッカリあいたまま…そんな時に、クラス会で晴香に再会したんだ」


晴香の瞳から涙がこぼれた。