知らなかった二人の過去に、驚きはしたけど、母が本当に父から愛されて結婚したことを知った。


自分が小さな頃から、二人は仲が良く、ケンカをしたのを見たことがない。


優しい父に包まれて、母も幸せだったに違いない。


「晴香…俺は憲吾の気持ちが良くわかるんだ。晴香を守ってやりたいって気持ち。お前に家庭がなかったら、きっと再会して結婚していたかもしれない。でも、今のままだと、祐輝君も憲吾も可哀想だ。世利がいるからって考えるのじゃなく、晴香が幸せになること考えなさい。母親が幸せじゃないと、子供も幸せじゃないとパパは思うよ」


母は何も言わずに、微笑みながら晴香にうなづいた…


「さぁ食べて、片付けちゃおうか~」


世利が生まれる前の歴史に、色々なことがあったなんて、今日まで知らなかった…自分達の軽はずみな行動が、自分の歴史を作ってしまって…これから変えていくのは、自分の勇気と決断…そう晴香は思っていた。