「やっぱり憲吾の声聞いてると、会いたくなっちゃうよ…」


「俺もだよ…」


少しの沈黙があった。


「明日、世利ちゃんの誕生日だろう。晴香がいつも通り、笑顔で乗り切ることができたら、会おう…」


憲吾は、心の中にある感情を隠しながら、晴香を励ましたつもりでいた。


今晴香が自分の胸に飛び込んできても、受け止める気持ちでいる。


でも、中途半端な気持ちで、晴香を祐輝から切り離したら…責められるのは、晴香だということが、憲吾にはわかっていた。


「憲吾との約束だもん~頑張れるよ。頑張ってみる!でも…絶対にあたしの傍にいてくれる?ただ…約束できないことはあるの…」


「何?」


「祐輝とは…求められても、もう…」


「色々、時間かけよう。俺は晴香の傍に必ずいるから…」


憲吾がかけてあげられる、苦しまぎれの言葉だったかもしれない。本当は…