「今…晴香は俺に何してほしい?」


「……」


「晴香…聞こえてる?」


「…会いたい…」


「……」


「ごめんね…わがままいって」


「いや…いいよ。叶えてあげたいけど…ケガ痛くなったら困るし、今日はやめたほうがいいよ…」


「そうよね…わがまま言ってるのは、いつもあたし。憲吾は、あたしにわがまま言ったことあったっけ?」


わがまま…


自分の部屋の天井を見つめながら、憲吾は思った。


自分の最高のわがまま…


晴香を自分のものにしたい…晴香を旦那のもとに帰したくない…


「憲吾…ねぇ~聞こえてる?」


「聞こえてるよ~」


「今、憲吾は、何考えていたの?」


晴香は、どんな答えを求めているのだろう…君のことだよ~そう答えてあげるのが、良い答えなのだろうか?