皆で食事を始めてしばらくすると、電話が鳴った。


相変わらず、憲吾は晴香が食べやすいように切ってやったり、時には子供のように口に運んでやったり…


不思議そうな顔をしている世利にも、食べさせてあげたり…


知らない人が見たら、本当の家族のようだった。


「はい~風間です。あ~祐輝さんかい…」


母と晴香の目があった。


「ご飯少し食べてるけど、まだ病んでて薬飲んでるよ…明日かい…うん…あ~そうかい。わかったよ。じゃあ2時ね。ところで、ご両親は晴香のケガ知ってるのかい…あっそうかい。わかった。じゃあ明日」


母の声だけだと、あまり内容はわからない。


「どうなんだ。祐輝君の様子…」


父が物静かに言った。


「まずは、食べちゃおうか~あらあら、また憲吾に食べさせてもらってるのかい~何か小さい頃思い出すね~」


あまりいい話ではない様子だったのか母は誤魔化した…