スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間

美雪は、ラーメンセットが目の前におかれたのも、しばらく目に入っていなかった。


「ほら!風間食べるぞ~はし…」


「あっ…ありがとう…」


右手で受け取った、はしを割ると、自分が何を食べているのか、感覚もなく、ラーメンを口に入れていた。


「美味い!な~風間~」


塩味のラーメンが、自分の涙のせいもあって、しょっぱさが増している感じがしていた。


「どうした?熱かったのか~?」


「違います…筒井先輩が、私をそんなふうに見ていてくれたんだ。って思ったら、何だか嬉しくて…」


「ハハハッ~そっかぁ~今さら話して、迷惑な話しだったよな。忘れてな~さあーのびちゃうから、早くたべよう」


「はい…」


自分が本当は、寛之が好きだったことは、言わないで飲み込んだ。言ってしまうと、自分の感情がおさえられなくなる感じがしたから…