スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間

のれんをくぐると、席を待つ人が数人立っていた。


「お客様~こちらにお名前書いて、お待ちください」


寛之が


【筒井 2名】


何の気なしに書いた寛之の名前…


美雪には、筒井と書かれて、2人と記入されたことに喜びがあった。


2人だけのランチ…


寛之と知り合った日から、夢見ていた二人の時間…


入り口近くに立っていたが、5分もしないうちに、名前を呼ばれ、カウンター席に座った。


向かいあって座るより、照れくさくなくて良かった~


美雪は思う。


でも、同時に、腕が触れるくらいの距離にいる緊張感はあった。


「風間~ラーメンセットでいいか?」


「あっ…はい」


「味は?」


「じゃあ…塩で」


「すみません~ラーメンセットの塩2つ!」