スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間

寛之が歩き初めると、美雪も続いた。


最初は1メーター近く離れていた距離が、寛之が歩幅を合わせてくれているので、すぐに縮まってくる。


一歩下がったくらいの位置で、駅前通りを横切るように歩いていた。


昼時なので、美味しそうなラーメンのような、中華の香りが食欲をそそる…


「あ~旨そうなにおいするな~風間、ピザでいいの?俺ラーメンもいいな~」


「私もラーメン好きです!」


「じゃあ、ラーメンにするか~」


「はい」


ラーメン屋の方が、かしこまる感じでもなく、硬くならなくて済むような気がしていた。


駅前通りを少し歩くと、右手に龍の絵が大きく書かれた、ラーメン屋を見つけた。


今日のおすすめメニューは、ラーメンセット…半チャーハン付きで\800