スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間

熱しやすく、覚めやすい性格の祥子…


ただ、その時だけの感情だと言い聞かせて、普通にしていた美雪…


言い出せなかった自分をおさえながら、何事もなかったように、時は流れて…


一緒に祥子と帰っていた毎日が、一人になった。


仲良く歩く、寛之と祥子を、ただ見ているしかない自分の気持ちを押し殺すのが精一杯で…


先輩の部、卒業を迎えた。


「風間、よく副部長として頑張ってくれたな~!俺としては、風間を部長として推薦したいけど、皆どうかな?」


最後に私のことを呼んでくれた寛之…


風間って呼ばれたかったんじゃないよ…美雪…って呼んでほしかったのに…


声に出せない言葉のせいで、涙が溢れて…


寛之を想いながら、私は部長になった。


もう、一緒にいることさえなくなった、剣道部。


告白することなく、終わった恋…