スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間

美雪は、偶然帰り道一緒になった寛之を、祥子に見てもらいたくて…祥子に打ち明けたくて…


「先輩!一緒に帰りましょう」


と声をかけてみた。


寛之をはさむようにして、並んで歩く駅までの道…


嬉しくてしかたない自分と、祥子とばかり話している寛之に、寂しい気持ちを覚えた。


駅に着いて…


反対路線の寛之と別れ、美雪は切り出した。


「祥子…先輩のことなんだけど~」


「筒井先輩て、かっこいいね~私、一目惚れ~」


言おうとしていた言葉を美雪は飲み込んでしまった…


祥子に、寛之に告白しようと思っているの~


そう言おうと思っていたのに…


どちらかといえば、祥子は積極的で、見た目も目立つタイプ。


美雪は、消極的で、地味なタイプだった。