スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間

憲吾は用意されたご飯を、自分が食べるよりも先に、寝ている晴香をそこに座らせて、食べさせていた。


晴香の母も、止めることなく任せていた。


小さい頃から見ていた光景だから?


それは違う…


今の晴香には、友達よりも母親よりも、癒される憲吾の優しさを求めているのが、痛いほどに、母にはわかっていたから…


子供のように甘える晴香に、甘えたらダメだよ…


そう言う事が母にはできないでいた…


「里美ちゃん、憲吾みてくれてるから、食べちゃおうか!仕事行かなきゃね」


「はい…」


里美も、二人の今の時間を大切にしてあげるのが、自分に今できる一番のことだと思っていた。


一緒にいられたら幸せなフタリ…


でも、一緒にいられないフタリ…